海の近く、通称うみちかは、相模湾沿いの湘南+西湘エリアで暮らす食いしん坊のための月刊フリーマガジンです。めくる。折る。畳む。切る。破る。丸める。投げる。束ねる。嗅ぐ(?)。そんなあたたかい《手ざわり》感あふれる紙のメディアで育ったふたりの編集者が、紙メディアへの愛情をたっぷり込めてつくっています。
うみちかのボリュームは28〜36ページくらい。毎月、地魚やスパイス料理、タコス、やきとり、蕎麦、パンなど、ひとつのテーマに沿った特集記事で、おすすめの5店舗をご紹介。そのほかの名物料理やスイーツのヒミツに迫る『おいしい皿にはウラがある』『とっておきのおやつ』もそうですが、こうした飲食店はすべて「広告」ではなく、「編集部が見つけて食べてみてめっちゃおいしかったからぜひ取材させてくださいとお願いしたお店」です。
ヤラセなし、忖度なし、だからお金なし(笑)。そんなフリーマガジン成り立つのかよ、やっていけるのかよ、とたくさんの方々に心配されながらもふらふらと何とか低空蛇行飛行を続け、2024年春から創刊9年目に突入しました。毎月、3万部を発行しています。
フリーペーパーはふつう読んだら捨てられるものですが、ありがたいことに、うみちかの場合は、『うみちかブックス』で80冊以上のバックナンバーをすべて揃えてくださっている方がたくさんいます。「うみちか専用の棚をDIYでつくりました!」なんて、うれしい写真を送ってくださった方もたくさんいます。
うみちかで紹介した飲食店は賑わっているね、またすごい行列ができていたよ、などと教えてもらうことも多く、発行後しばらくは混雑して入りにくくなるからと、あえて2ヶ月後、3ヶ月後に訪れる読者も。葉山や逗子の方が湯河原へ、小田原の方が鎌倉へ、というように、湘南・西湘エリアの食いしん坊たちが、うみちかを片手においしいものを目指して東西を行き交っているようなシルクロード感が伝わってきて、つくり手としてうれしいかぎりです。
地元のアーチストにお話を伺う『海の近くでつくるひと』『しおかぜミュージアム』のほか、映画や書籍、ロックバランシング、昼酒、地産地消フードなどの連載コラムも読み応えがあります。おいしいものが好きなひとは、暮らしを楽しむのが好きなひと。日々の食事をもっとおいしく、暮らしをもっとおもしろくする情報を、これからもいっぱい発信できたら、と思っています。
湘南+西湘エリアのうみちか設置店(飲食店やショップ、ギャラリー、百貨店、駅ビル、図書館、観光案内所など700ヶ所以上)で見かけることがありましたら、ぜひ一度パラパラとページをめくってみてください。ほぼ隔年でつくっている総集編的な別冊『海の近くのおいしいもの』vol.1〜3も好評発売中です(vol.4は10月1日発売)。